利益を出せる先物システムトレードを考える上で気付いた５つのこと

　去年の年末に思いついた1日オーバーナイトするだけのトレードルールの詳細を練りに練っているところですが、とりあえず試行をしたりしているうちに気付いたことがいくつかあります。

1. トレードルールをシンプルに保ち、利用している証券会社の自動売買機能を活用する

　ここで言う「自動売買」とは、「逆指値」や「時間指定注文」等のことです。証券会社によって呼び方が違ったり、用意されている機能が違ったりします。
　今現在、個人が開発したプログラムから直接自動売買ができる証券会社は探したところ見当たらないので、先物のシストレはプログラムが出したシグナルに従って人間が手動で注文を出すことになります。ここで証券会社の自動売買機能で対応できないような売買ルールを採用してしまうと、システムトレードに人の判断をはさんでしまう余地が大きくなります。つまり、シグナルを見落としたり、利確/損切のタイミングを見落としたり、それを躊躇したり、誤発注したりする可能性が高くなってしまうということです。そうならないためには、トレードルールをシンプルに保ち、自動売買機能を利用してEntryとExitの瞬間に人間の判断と裁量を挟まないことが大事だと思います。

2. 証券会社にって異なる注文機能をよく調べる

　証券会社の取引機能のヘルプページを見ると、あらかじめ先物取引でどんな注文/自動売買ができるのかをある程度調べることはできますが、実際に注文を入力してみるとヘルプのページには書かれていない細かい制約があったり、意図した注文ができなかったりすることがあります。これはもう自分で口座を開いて取引を試すか、その証券会社の口座を持っている知り合いが居れば聞いてみるかする他にありません。

3. カーブフィッティングに気をつける

　バックテストの結果が良くても、それがカーブフィッティングの効果であるなら何の意味もありません。過去のデータ上で利益を最大化したいのではなく、未来の利益を最大化できるように、バックテストはカーブフィッティングをできるだけ避けられるようにパラメータを考えたいところです。
　どうすればカーブフィッティングを避けられるか試行錯誤していますが、まず第一に、入手できうる限りの長い期間の過去データが必要だと思います。たった1年間のデータでいくら検証を行っても、そのトレードルールが通用するのは将来のごく短い期間だけかもしれません。ロスカットのルールひとつをとってみても、ルール次第では過去のチャートで機能しても将来のドローダウン低減につながらないばかりか、利益も圧縮してしまう可能性すらあります。

4. 似ているようで似ていない日経225 先物とTOPIX 先物

　同じ東証1部の指数なので値動きもある程度は似ているN225とTOPIXですが、N225で利益が出る戦略をTOPIXのデータでバックテストをすると、良い結果になることが多いかもしれません。この2つの指数にたいした違いは無いんだと安易に考えていたのですが、そもそもTOPIX 先物を取引できる証券会社が限定されたり、使用できる注文機能に何故か差があったりします(例えばSBI証券のTOPIX 先物は指値と成行でしか注文できません)。よく考えれば当然ではありますが、安易な転用は考えずN225ならそれ1本に絞るべきなんだなと思いました。

5. 自分自身の運用コストを下げる

　FXのように完全自動化できない先物のシステムトレードの運用局面において、運用者である自分自身に関わるコストには、「毎日の取引を行う手間」ともうひとつ、「毎日のシグナルを確認する手間」があります。
　「毎日の取引の手間」は、自動売買機能を使うことで(ザラ場にはりつかなくて良いと言う意味で)かなり軽減されますが、私のように自分でシストレツールを自作している場合、毎日のシグナルを確認するために今時点の最新データを入手し、システムに取り込み、必要があればパラメータを調整してプログラムを実行する、というかなり面倒な作業を毎日毎日繰り返さなくてはなりません。正直、忙しい日もあるので欠かさず作業を行うことは難しく、せっかくバックテストで良い成績を出せたとしても、システム通りに運用できないという結果につながりかねません。
　そのため、自作シストレツールであってもシグナル確認の作業を自動化(自分にメール配信)するか、せめてワンクリックで結果を確認できることが必須になります。

　今週から、最初に考えていた長期トレードのルールの反省を踏まえて上記の問題点を改善した、短期トレードの方を本格的に運用していきます。自分の考えたシステムで安定した利益を上げられるように頑張っていきたいところです。